目次主文当事者の主張裁判所の判断発言集

東京地裁平成9年5月26日判決

ニフティ名誉毀損事件第一審判決


3 争点1(三)(1)(被告ニフティ(Y3)の責任原因・使用者責任について)

 (一)

 被告ニフティ(Y3)とシスオペである被告Y2とのフォーラム運営契約(丙1)においては、(1)シスオペは、<1> 被告ニフティ(Y3)の別途定める契約、マニュアル等に従うほか、被告ニフティ(Y3)の指示に従う(1条2項)、<2> フォーラムの運営に関しては関係する法令、被告ニフティ(Y3)の規約、指示等に従う(6条4項)とされ、シスオペがフォーラム運営契約に違反したときには、被告ニフティ(Y3)は、フォーラム運営契約を無催告で解約することができるとされていること(12条)、(2) シスオペが選任した運営協力者については、被告ニフティ(Y3)が不適切と判断したときは、同被告は、これを解任 することができるものとされていること(5条)が認められ、このことに照らすと、被告ニフティ(Y3)とシスオペである被告Y2との間には、使用者責任の基礎となるべき、実質的な指揮監督関係は優に認められる。

 (二)

 そして、右のような被告Y2の行為が、被告ニフティ(Y3)の事業の執行に関して行われたことは明らかである。したがって、被告ニフティ(Y3)は、原告に対し、使用者責任に基づき、被告Y2の右2の不法行為によって原告が被った損害を賠償する責任がある。

 (三)

 なお、争点1(三)(2)(被告ニフティ(Y3)の責任原因・債務不履行〔安全配慮義務違反〕)については、右一1(二)(3)のような会員契約の主旨に照らすと、被告ニフティ(Y3)には、原告主張のような安全配慮義務がないことは明らかであるから、原告の同被告に対する債務不履行に基づく損害賠償請求は理由がないというべきである。


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作成責任者:町村泰貴
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