目次主文|当事者の主張|裁判所の判断掲示内容

神戸地裁平成11年6月23日判決

掲示板プライバシー侵害事件判決

事実及び理由


第一 請求

 被告は原告に対し、金181万360円及びこれに対する平成9年5月22日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
 


第二 事案の概要

 本件は、原告が、その個人情報を被告によつてニフティ株式会社(以下「ニフテイ」という。)の運営するパソコン通信ネットワーク(以下「ネット」という。)上の掲示板システムに掲載されて自己のプライバシーを侵害され、その結果、原告は数名の者から無言電話等の嫌がらせの電話を受けて、開業する眼科の診療を妨害され、また、信用を毀損され、被害を被ったと主張して、被告に対し不法行為に基づく損害賠償を請求した事案である。

一 前提となる事実

(証拠を掲記しない事実は、当事者間に争いがない。)

1 原告は、眼科医として個人で診療所を開業している者である(原告)。

2 原告と被告は、いずれも、平成9年5月頃、ニフティの会員で、ニフティの運営するBBS(ブリティンボードシステム)と呼ばれる掲示板システム(以下「掲示板」という。)の利用者として登録され、日常的に掲示板を利用してきた。掲示板は、ニフティの会員であれば、誰でも、全国各地からアクセスして見ることができるものである(原告)。

3 被告は、平成九年五月一七日未明、別紙記載の内容の掲示(以下「本件掲示」という。)を掲示板に掲載して一般に公開した(以下、この行為を「本件掲示行為」という。)。

4 本件掲示には、原告の氏名、職業、原告が開設する診療所の住所及び電話番号(以下「本件個人情報」という。)が記載されているが、それらは、医師会名簿には掲載されているものの、ネットの参加者に対しては公開されていない情報であった(原告、弁論の全趣旨)。

二 争点

  1. 本件掲示行為の違法性の有無
  2. 本件掲示行為による原告の損害の有無・程度
  3. 過失相殺

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作成責任者:町村泰貴
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