最三小決平成11年3月9日

(平成一〇年(ク)第六四六号)

(要旨)

 原裁判所は、上告の理由が明らかに民訴法312条1、2項に規定する事由に該当しないことを理由として上告を却下することはできない

(上告却下決定に対する特別抗告事件)

 原審:大阪高等裁判所

(判旨)

主文:抗告棄却

理由
 民事事件について特別抗告をすることが許されるのは、 民訴法336条1項所定の場合に限られるところ、本件抗告理由は、違憲をいうが、その実質は原決定の単なる法令違反を主張するものであって、同項に規定する事由に該当しない。
 なお、本件本案事件についての上告の理由は、理由の不備をいうが、その実質は事実誤認を主張するものであって、明らかに民訴法312条1項及び2項に規定する事由に該当しない。しかし、このような上告も、上告裁判所である最高裁判所が決定で棄却することができるにとどまり( 民訴法三一七条二項 )、原裁判所又は上告裁判所が民訴法三一六条一項又は三一七条一項によって却下することはできないと解するのが相当である。本件上告を却下した原決定は、法令の解釈を誤ったものというべきであるが、原決定に憲法の違反があるとはいえない。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。   
(裁判長裁判官 金谷利廣 裁判官 千種秀夫 裁判官 元原利文)


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