名古屋高金沢支決昭和46年2月8日判時629号21頁

百選17

(事実)

 「イタイイタイ病」の患者によるカドミウム公害訴訟で、原告461名が訴訟救助を申し立てた。原決定は公害訴訟の規模に照らして訴訟追行費用がかさむことを考慮し、資力がないことを緩やかに認めた。これに対して被告が抗告。


(決定要旨)

一部棄却、一部取消

 訴訟救助決定に対する相手方の抗告権について、「一般に訴訟救助決定の相手方は、右決定によつて直接的、実質的に不利益を受けないとして解釈上その抗告権を否定することには疑問があり、現行民訴法の下においては、前記規定を、救助申立を却下された場合の規定と限定的に解釈せず、同申立が認容された場合にも相手方は即時抗告をなし得る旨の規定と解するを相当とする。」

 「訴訟費用を支払う資力がないとは、貧困で自己及び家族に必要な生活を害するのでなければ訴訟費用を支払うことができない状態をさすと解するのが相当である。

 従って右資力の認定に当たっては、申立人の資産及び収入と予想される訴訟費用とを対比して判断すべきものである。しかしこの場合に考慮すべき訴訟費用とは民訴法120条に規定する訴訟上の救助の対象となる裁判費用等に限定すべきでなく、(中略)具体的事件に応じ訴訟の遂行に必要不可缺と見られる訴訟のための必要経費をも含むと介すべきである。」


判例評釈・解説


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